さみい、すげーさみい。なんだこの寒さ、ふざけてんだろ。 大体何でこんな日に限って外に出てかなきゃなんねーんだ。 いくらあいつの呼び出しだからって、俺が行く必要がどこにある? ねーよな、よし分かった。もう今から帰る、うち帰ってプレステして寝r 「総悟じゃねェか、なんだお前こんな時間にうろついたりして。夢遊病か」 黙れよ、このマヨうんこ野郎。ぶっ殺されてぇのか、ちきしょう。 とりあえず俺は土方さんの顔を視界に入れるのさえも鬱陶しく感じたので 無視して通り過ぎた。「あ、総悟テメー何無視してんだァ!オイィィィイ」 後ろ振り返ったら土方がいる。そのくせついてきやがるもんだから、帰れなくなってしまった。 あー、これフラグ立ったな。バッドエンドに向かう方向でさァこれ。 「あれ、隊長?沖田隊長じゃないですか、」 うわあうざい奴に遭遇。「なんですかその明らかにうざい奴に会った!的な顔は」 山崎はこんな夜中にミントンをやっていたらしく「あ、これミントンじゃないですよー羽子板ですよー」 べきい!と凄まじい音を立ててミントン「だから羽子板ですって、ちょ、アンタ何してんですかァアア」 をへし折った。だってうざかったんで。 やることが無くなってしまった山崎は土方と一緒に俺の数歩後ろを歩きだす。 何でィこいつら。新手のストーカーでさァ、きめえ。 「おお、総悟じゃねーか!ちょ、今からさ、お妙さんに頼まれてたWiiを買いに行こうかと思ってるんだが 一緒にどうだ?」 嫌です。一人で言ってくだせェ近藤さん。 今回はちょいと約束があるんでさァと理由を話すと納得したのかしないのか分からないが 近藤さんはWiiを買うことを諦めたらしく一緒についてきた。(つーか姐御に殺されやせんか心配です) こつこつこつ、と重なる男特有の歩き方が三種類。俺の後ろをつきまとう。 今から家に帰ってプレステをすることは最早無理だろうと腹をくくった俺は、 彼女に呼び出された神社へと向かった。 「総悟ー!」 鳥居の前で手を振るあいつ。なんだお前、めかしこんで着物まで着てきたのかよ。 気合入ってんなァと口には出さずにを見つめる。彼女は俺の後ろに居るストーカー たちを見るとみんな揃ったんだね、と微笑った。 近藤さんも土方さんも山崎も口を揃えたように喋り始めて輪が賑やかになる。 空を見上げると高くて、星が少しだけきらきらしていた。はあ、とわざとらしく 息を吐くと白いもやが目の前に広がる。 うーあ、さみいや。そう零すとが手を握ってきた。 コートのポケットに彼女の手ごと入れると少しあったかくなったような気がする。 他の男三名が煩くはやしたてるのが癪に障るが、俺は今ちょっと上機嫌なのかもしれない。 「総悟、近藤くん、土方くん、山崎くん、あけましておめでとう。」 午前零時、除夜の鐘が鳴り響く。 「今年も宜しくしてやりまさァ」




A HAPPY NEW YEAR
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