総悟、おはよう。その一言を言うだけじゃないか私! がんばれ私!たかが総悟だろ、…いやごめんなさい。たかがなんて嘘です。 私の恋するキューティーハニーの名を沖田総悟という。 彼は美麗なその容姿でいともたやすく私のハートを射止めたのでした。 けれど、実際に総悟を知っていくとドがつくえすということが分かったし、 下ネタも平気で言うし、えすだし、意地悪だし、えすだし、かと思えば きゅんとするような優しいことも言うし、…えすだけど。 とにかく色んな総悟を知って、私は一目惚れした時以上に彼のことが 好きになっていることに気がついたのだ。 私にとって今日は特別な朝。いつもとは違う、朝。 だって、ずっと片思いをし続けた彼に昨夜、告白をしてオッケーのサインをもらったからだった。 総悟におはよう、って言えるかな。顔赤くなったらどうしよう、 化粧濃くないかな、大丈夫だよね? 総悟、どんな反応するのかな。 それとも彼女になった私にすごく優しくて甘い言葉を囁いてくれるのかなぁ… 「お、おはよう…そうご!」 廊下の角から今まさに、部屋から出てきた総悟に直撃。 彼はぼうと庭を眺め欠伸をして両腕を上げた。「んー」と声を漏らすと、一息に伸びをし 肩を回してこきりと鳴らす。 その様子をじいと横で眺めて、総悟が次にどんな反応をするのか、 恋愛シュミレーションゲームで言う画像保存みたいな感じで目に焼き付けようと 必死になった。 「はよ、」 私の方を見もせず、庭をぼんやりと眺めたままの彼は寝起きのかすれた声のまま 寝ぐせのついた髪をかいた。 「え、…そ、それだけ?」 「…あ?」 やっとのことでこちらを向いたかと思うと、私を見降ろして一気に怪訝そうな顔をした。 え、何この顔。「なんだアンタか、」なんだアンタか、なんだアンタか、なんだアンタk(エコー) ええええええ、何そのアンタかって!私じゃダメですか!?ちょ、何その目ェエ! 「、…よく俺が寝起きのところに駆け寄ってこれやしたねェ。」 ぎくり。いや、まさか、一日中総悟の部屋の前で張ってたことがバレたとか!? いやいやそんなハズは―「どうせアンタのことでィ、いつもみてーにストーカーしてたんだろィ」 バレてるゥゥウ!!! 「え、え、何のことかなあ?私にはさっぱr「はい、じゃあ言い訳は後で聞くから」 ガシャン!と両腕に付けられた銀色の物体。 あれ、これもしかして手錠?「手錠プレイ!?」「いや、逮捕。アンタ犯罪者な、」 そのまま引き摺られるようにして牢屋のあるところへと連れて行かれそうになる、 ちょ、あれ、待ってェエエ!私彼女だよねェ!?何これェェ 「俺の女になったからって、いい気になりなさんなよ。」 ぎらんと光る総悟さんの赤茶色の瞳。こういうときの彼に逆らってはいけないことを 知っている。 こうしてわたしのストーカーみたいな(家畜以下な扱いを受ける)日々は 始まりを告げるのでした。



イソップ寓話
20081017
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