「497、498、499…500!」
「…よし、今日は此処まで。流石統悟だ、こりゃァ先が楽しみだな?トシ。」
「お前らしいやり方でのし上がって来い、統悟。」

俺、沖田統悟はもう六歳になる。六歳といったらすげーんだぜ、道場にもあがらせてもらえるし 他の隊士さんたちと一緒に稽古出来るし(でも素振りしかやらせてもらえないけど、) そんな感じで将来は父上のような立派な真撰組の隊長になるのが夢だったりする。 え、父上?うん、相変わらず母上と喧嘩ばっかりしてるけどなんだかんだであの二人は仲が良い。 この前も一緒にお風呂入ってたしなァ。母上は以前より上達した料理をみんなに振舞うように なって最近では評判もよくなってきているし。俺も母上の料理は美味しいなって感じるように なってきたんだ。でも、今度俺の誕生日にケーキを焼いてくれるって言ってたけど、 それはまだ不安だったりとか…。そんな平凡な生活を送っていた俺達にとある事件が起こった。 それは俺の全国大会出場が決まったというニュースで、そりゃあもう土方さんや近藤おじちゃんも喜んでくれた。 母上に限っては嬉しさのあまり必勝祈願のお守りまで作ってくれたくらいだ。 お守りの真ん中には俺の顔なのかよくわからないものがついていて端にフェルトで『必勝祈願』と 書いてある。その出来の酷さには父上も唖然として笑いを濁してしまうばかり。 でも、母上は笑顔いっぱいに笑って「統悟、がんばるのよ」と言ってくれた。 だから俺はね、全国大会頑張るつもりだったんだよ、本当に。あのことがおこるまでは。
inserted by FC2 system